田舎や地域活性には興味はないと言いつつ、田舎に住んで地域活性が行われている場にいるので、実際どんなことをするのがいいんだろう、、、とついつい考えてしまいます。
そのなかでも課題のひとつになるのが収益化なのかな、と。
お金があれば続けられるし、結局そこがないと長期的には人は来ない。
お金を生み出すということは価値を生み出すということで、その将来性があればどれだけ大きな金額でも借りることができる。
仕事が生まれて、仕事のために人が集まって、地域活性に繋がる。
という前提の話はここらへんにしておき、、、
収益を生み出すために、どんなことができるのか、具体的な収益化の施策を考えてみました。
モデルとしては、
”人口は1000~3000人で約1000世帯で、高齢者多い。
特産品や地域の売りは弱く、土地は余っている地域”
を考えています。
目標収益は年間1億円。
これ全部しっかりとやれば年間1億円の収益が達成できるということを目標に、施策を7つ考えてみました。
1.会員制度をつくる(3000万)
地域活性に大事なことのひとつは「当事者を増やす」ことだと思っています。
はっきり言って、地域住民が町おこしに対して他人事であることは多く、ボランティアなどの協力者がどこまで手伝ってくれるか分からない。
地域活性の場合、田舎であることが多いため、手伝いたくても距離的に手伝えないこともあるので、寄付として手伝う制度はあってもいいと思います。
ということで、会員制度。
もちろん任意にはなりますが、
自分たちの町ということで地域住民からは一世帯で月5000円。年間6万円。
300世帯からの協力を得たとしたら、年間1800万円。
会員参加のお返しとして、飲み会参加費を無料にしたり、月刊紙をつくって配布してもいいと思います。
それだけで5000円分の価値を感じる人もいるはず。
地域住民以外のサポーターは月3000円。
300人のサポーターで月間90万、年間1080万円。
地域の情報が分かる月刊紙を送る、町の写真をプレゼント。
その地域に来るようであれば飲み会無料とか反応良さそう。
「飲み会1回分の金額で、町おこしに参加しよう」
といったメッセージ(ってなんかありそう)
あとは、クラウドファンディングを別途行い、残り120万円集めれば3000万円達成。
2.教育のインフラをつくる(1200万)
若い人のネットリテラシーの高さは田舎ではかなり活かせます。
話は変わりますが、教育に関わることで、多数の人たちと話す機会が生まれるため、地域住民との交流に繋がり動きやすくなります。
そういった意味で、教育のインフラって収益というより、町おこしに有効な手段なのかなと感じています。
具体的な内容は以下の通りです。
まず地域にいる高齢者向けに月1万円でPC講座。
月1万×12ヶ月×50人=600万円。
田舎には塾も少ないため小中学生向けに補習講座。
月1万×12ヶ月×50人=600万円。
月1万円というと、月4コマ(60分)程度なので仕事との両立はできるはず。
あと、田舎の高齢者が持っているスキルを都心で活かすのも面白そう。
着物の着付け教室とか伝統文化を伝える教室など。
参加者は集めて、講師として町の人たちを呼んで都内でイベントはできそうな気がします。
3.不動産に力を入れる(900万)
田舎ということで空き家は多いので、その空き家を活かしていき、地域活性にも繋げていきます。
大家さんが高齢者で対応ができなかったり、空き家のまま放置しているケースも多いため、家賃収入が増えることをアピールして、代わりに家を貸し出す権利と代行手数料をもらう形で。
『金谷で一軒家を借りちゃいました。』の記事の通り、自分が借りている家は家賃3万円で、手数料で月1万円取られても安いほどです。
また、コネがないとこういった家は借りることができないので、代行業は十分に価値があると思います。
ということで、手数料月1万円×12ヶ月×30軒=360万円。
あとはオプションを増やすことで単価を上げていく。
- 引越しサポート:1回1万円×30軒=30万円
- 家具レンタル:年間5万円×30軒=150万円
- リノベーション対応:10万円×30軒=300万円
- 礼金:2万円×30軒=60万円
あとは、電気/ガスなどの手続き、転出届提出の代行、町案内サポートなど。
とりあえず上に挙げた金額を合わせて900万円達成。
4.ネットショッピング代行(1200万)
田舎だとスーパーも本屋も家電量販店も遠いです。
高齢者だとネットで買い物が苦手な人も多いため、ネットショッピングを代行するサービスです。
仕組みは簡単で、買い物の手数料として10%をもらいます。
月10万円の出費のうち手数料として10%をもらうとしたら、1人につき1万円。
100人獲得したとしたら月額100万円、年間1200万円。
家電製品であれば単価高めだから10万いくだろうし、まとめ買いで安く仕入れることも可能なはず。
あとは支払い時のポイントでも地味に稼いでいけば数%増し。
5.クラウドソーシングで仕事をかき集め分配(1,500万円)
都心に仕事が奪われるのであれば、取り返せばいい。
ということで、クラウドソーシングで仕事をがんがんかき集める作戦です。
かき集めた仕事を手が空いている人や若者に分配していきます。
田舎だと仕事が少ないため、若者には需要あるだろうし、簡単なタスク系の仕事であればボケ防止などに繋がるし高齢者受けも良いのではないかと。
月5万円稼ぐ人が100人だとして月500万、年間6,000万円。
手数料として25%をもらって1,500万円の収益。
大事なこととして、クラウドソーシング系サービスに営業して手数料は無料にしてもらいます。
さすがに二重で手数料をとることは厳しいので、サービスの認知度拡大や社会貢献ということをアピールし、なんとか手数料を無料にして、自分たちで手数料分を収益に回すことが必要になる案です。
6.スマホの販売代行を行う(1000万円)
田舎にはケータイショップも少ないです。
ということで、スマホの販売代理店をやるといいと思います。
特に、若い人であれば、そういった知識も十分にあると思うので。
意外と販売代行の手数料は高いようです。
1件3万円×300人=900万円。
操作方法などのサポートを付けて、1/3の100人に1万円で操作サポートを行えば1000万円達成。
7.周辺地域と町コンを開催する(1200万円)
地域活性を絡めて、町コンをやればいいと思います。
男性6,000円女性4,000円で各50人で計100人。
1回につき50万円を月2回開催で1,200万円。
2次会コースを用意しておき、半数を誘導できれば1回25万円。年間600万円。
お土産やバスツアーなどのオプションをつけて200万円。
売上の60%を利益として計上すると1200万円。
地域活性したい町同士で手を組みながらやれば上手くいくと思います。
町を会場にすれば地域にお金が落ちるし、安上がりに開催することもできるはず。
ということで、今まで挙げた案をまとめると以下の通りです。
- 1.会員制度をつくる(3000万)
- 2.教育のインフラをつくる(1200万)
- 3.不動産に力を入れる(900万)
- 4.ネットショッピング代行(1200万)
- 5.クラウドソーシングで仕事をかき集め分配(1,500万円)
- 6.スマホの販売代行を行う(1000万円)
- 7.周辺地域と町コンを開催する(1200万円)
これらを全部合わせれば、1億円達成。
もちろん全部達成した状態で1年続けないと1億円にはなりません。
これは無茶だろ、という案もあるかと思います。
それでも、この半分でも達成すれば5000万円で、それが2年続けば1億円です。
また、国の補助金や寄付金、地域を活かした収益プランを使わずに、どの地域でも導入できるような案を中心に考えています。
その地域の特性を活かした案を組み込むことができれば、より良い案はもっとたくさん出せるはずです。
地域活性に大事なことはお金だけじゃない
とにかく収益化の施策を考えてみましたが、お金があっても町おこしは上手くいきません。
どんな町をつくりたいのか、町の未来をしっかりと描き、町全体で共有することが本当に大事だと思います。
(参考記事:『田舎に1年半住んでみて感じた、地域活性で大事にするといい4つのこと』)
・田舎の良さは残しつつ廃れないようにするのか
・ビルや高層マンションを増やすほどに成長させたいのか
・人口をどの程度まで増やしたいのか
・地域活性をして何を生み出したいのか
しっかりと未来のイメージを描いて発信することがなにより大事だなと。
むしろお金はなんとかなります。
上のような施策をやってもいいし、投資してもらえばいい。
投資してもらえないなら、みんなで借金すればいい。
お金が足らないのではなく、ビジョンが足らないのです。
と言いつつ、未来のビジョンを描き、想いを持ってやり続けることほど難しいことはないと思います。
地域活性のなかで収益の少なさで困っている団体の参考になればと思います。