田舎の流通総額から考える地域活性化の戦略

人口1000人規模の町に住んでいながらも、地域活性や町づくりには大して興味を持っていなかったのですが、最近は少しずつ地方や田舎の今後について考えることが増え、とても興味が出てきました。

結婚して家庭を持つ、ということもあるせいか、地方から出ていって都心に行く気持ちがとても分かるんですよね。

仕事がない、給料が低い、子どもは塾や習い事はできない、学校は少ない、それらが良くなる将来性も低い。
それならば早いうちに出ていって、新しい環境で仕事や住みやすい暮らしを手に入れたほうが断然楽だよなと。

そんな話は以前もしたので、ここらへんで。
『地方が発展するための「地域活性/町づくり」って相当難しいと思う』

本題は、「じゃあ田舎ってどのくらいのポテンシャルあるの?」と思ったのです。
田舎だと定義や範囲が広すぎるので、今住んでいる”金谷”で考えてみることにします。

町の食材における流通総額1600万円

具体的な数値がないので、おおよその推測で計算していきます。

■人口1,000人/400世帯
■月の食費:4万円(外食除く)
だとすると、月1600万円が町のなかで食材に最大限活用される金額。
(高齢者が多めと考えると、もう少し安い?)

ただ、近郊の大型スーパーや勤務先付近で買うケースもあるので、町に流通する金額としては5割程度。
そのため、町に流通する食費の総額は800万円。

この800万円がスーパーや個人経営の商店(肉屋/魚屋)に分配されるわけですね。
スーパーの平均的な原価率は60%程度みたいなので、売上利益だけだと月320万円。
そこから人件費など販管費を差し引くことになります。

なんとなく大繁盛しているわけではない、ことは分かります。

特に、食材については観光客が買うことは少ないので、売上としては絶対に町の人の生活費が主となります。

改善できるポイントとしては、

  • 外部流出しているお金を内部で循環させる
  • 人口を増やして流通総額自体を上げる

なのかなと。
内部で循環させても最大1600万円でしかないので人口増加は必須で、今よりも人口が減っていくと経営が大変そうだなと。
赤字にはならなくとも収入だけで言えば、別の仕事をした方が儲かることにはなると思います。

外食はどうか?観光収益の最大化が重要

上の例は、スーパーや商店など町の人向けのサービスで、外食は含めていません。
外食の場合だと、観光客が来るため、その分の収入が大きく増えます。

金谷は鋸山という観光スポットがあり、観光客が比較的多く来ます。
昔は観光地として栄えていて、その頃に比べると大分減っているみたいですが。

観光客を増やせる上限ももちろんありますが、この点は努力次第でもっと増やせるため、観光客向けに何かしていくのであれば、比較的可能性はあるかと。

町の人向けだと相当厳しい

逆に言ってしまうと、町の人向けに飲食店を開くのは限界があります。
町の人々で外食できる人口が300人程度だとして、月2万円だと600万円。

町の外で使う割合が50%だと月の売上300万円で、売上利益は150万円程度。
特に、金谷の場合は既に飲食店が幾つかあるので、客の食い合いが激しくなるかと。

観光で外貨を獲得することが最善

観光要素がある金谷の場合だと、観光をひとまず伸ばしていくのがいいのかなと思いました。

はっきり言えることは、
■飲食店は観光客向けに特化したほうがいい
■町の人向けの飲食店だと正直厳しい
ということかなと。

ただ観光だけだと観光の流行り廃りで売上が上下してしまうので、観光で稼いでいくなかで、観光に頼らず町のなかでもある程度の収益を発生できるように、町の流通総額をどんどん上げていくことが大事だなと思います。

収入の割合が観光95%だと観光客が来なくなった瞬間に終わるので、観光70%:町30%程度になると理想かなぁと。
特に、平日や夜の時間帯は観光客は少ないので、それらの時間帯を町向けのサービスに回すと良さそう。

なんとなく歯切れが悪い終わり方なのですが、どこから手を出すのがいいんだろうな、と悩む今日この頃でした。

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