先日、「クラウドワークス2週年記念ユーザー大交流会」に参加して、クラウドソーシングについて考えるきっかけになったので、感じたことをまとめておこうと思います。
魅力はスピードとセーフティーネット
クラウドソーシング系サービスはとても魅力的だと思っています。
自分は主に「クラウドワークス」を活用しているのですが(昔は受注者、今は発注者として利用することが多いです)
- たった1日で案件獲得ができるスピード感
- いざとなったら仕事があるセーフティーネット
といった点に魅力を感じています。
通常の契約であれば、一度お会いして話して再度会って、、契約して、、といった具合に、小さな案件でも1ヶ月程度かかってしまうこともあるかもしれませんが、1日で契約どころか1日で案件達成して報酬といったことも可能で、発注者としてもそのスピード感で仕事が進むことはとても助かります。
特に、クラウドワークスは他のサービスに比べても、ユーザーのアクティブ率が高いように感じます。
UIも優れているせいか、同じ作業でもスムーズに進むなと思いました。
また、「クラウドワークス」のサイトを見てもらえれば分かると思うのですが、とにかく案件がたくさんあり、素人でもできたり、さくっとできるようなタスクもあり、なにかあって稼ぎがなくなったとしても、月の生活費程度であれば頑張れば稼げる、という環境があるのは安心できます。
ということで、魅力はあるのですが、課題も多く感じています。
自分が感じた課題を3つほど書いておこうと思います。
優秀なユーザーほど利用しなくなる
クラウドソーシング系サービスを活用していた人だと分かると思うのですが、優秀なユーザーほどサービスから離れると思っています。
優秀な人であればあるほど、オンライン/オフライン問わず声をかけられ、勝手に仕事が集まることは多いと思います。
エンジニアやデザイナーを欲している企業や案件は多く、サイト制作できる、というだけで、自分にも色々と話が舞い込んできます。
もちろんクラウドワークス内で仕事獲得はできるものの、リアルで良い案件があればそちらに流れてしまいます。
また、傾向としては、リアルのほうが時給単価が良い案件が多いです。
手数料として10~20%とられることもありますし、クラウドソーシングを活用する理由として安く発注したい、という理由で活用する発注者も多くいます。
ただ必ずしも時給単価が低いわけではありません。
独立して1年半になりますが、そのなかで時給単価が一番高い案件はクラウドワークス経由でした。
時給1万円以上になる案件を定期的にもらうことができ、今でも続いています。
仕事のためのツールとしては弱い
自分が仕事のときにブラウザ上で常に開いているツールは、
- Lifebear(スケジュール管理)
- チャットワーク(メッセやタスク管理)
- Evernote(日報管理やメモ)
が主です。
仕事のざっくりとした流れって、
「契約⇒案件をこなす⇒納品」
みたいになると思うのですが、案件をこなす、ことが仕事のほとんどで、他だと契約前のやり取りが多いかなと。
ただ普段からクラウドワークスを開いていないからメッセをするのは億劫で返事が遅くなるのです。
案件をこなす部分に関しても、クラウドワークス内で完結できると便利と思いました。
タスク管理やスケジューリングなどを外部ツール使わずにできれば常に開いていると思います。
もちろん開発が他サービスに遅れをとり機能性が落ちるなども考えられますが、有料会員制度など工夫次第でどうにでもできるかなと。
今後は利益率が下がりそう
ビジネスモデルとして
「取引金額の手数料10~20%が売上になる」
ということで、取引金額の大きさが大事になると思います。
実際に流通総額や取引金額は高まっていますが、それに応じて社内の人数も増やす必要があります。
(取引金額と社員がどの程度比例するか、気になる)
今後はもっとマス向けになっていくとしたら、安い単価の案件が増え、スキルがあまりないユーザーも増えると予想できます。
それでも案件の成約数は増えると思うのですが、起こる問題としては、
- 成約率の低下
- トラブルの発生
- 案件単価の低下
があり得ると思います。
スキルが不明瞭だと成約率は低くなりますし、クライアントもユーザーも雑で仕事を放り投げる人がいるとしたらトラブル発生にはなります。
個人的には、案件単価の低下が利益率に大きく影響すると思っていて、安いタスク案件100個と開発系案件1つでも利益は同じなわけです。
ただユーザーにとっては安いタスク案件でも大事な仕事で、運営にかかる工数も案件の値段の高さは大きく影響しない。
そうなると、これから安い案件が増えるとともに、手間が増えてしまって、利益率は下がってしまうのかなと感じました。
課題まででここまで長くなってしまったので、今後の可能性についてはざっくりと。
SNSの要素を持たせる
クライアントもユーザーもどんな人か分かりにくいんですね。
顔を出していても、どんなスキルがあるのか、どんなことを考えているのか、は分かりにくい。
- ブログ機能を持たせる
- mixiコミュニティー的グループで情報交換
- オフ会などリアルな場へ誘導
など、コミュニティー要素を強めるといいのかも、と。
フリーランスだと大企業のような社名の肩書きがなく、自分をどんな人か説明しにくいと思うので、
「クラウドワークスで見てください/申請します」
みたいなことが一般的になると面白そうだなと思いました。
仕事のマッチングだけでなく仕事を生み出す
これだけ多くのユーザーがいればなんでもできると思うのです。
今は発注者とユーザーがいて、仕事のマッチングの場の提供をしていますが、
『「発注者のやりたいビジネス」と「ユーザーのスキル」を繋げるコンサルティング』
とかできるんじゃないかと思いました。
そういった意味では、リクルーティングにも繋がりそうだなと。
発注者が発起人となり、プロジェクト単位で仕事をしていくとかいいかも。
今ある案件は金額が既に決まっている/見積もりをもらう段階の仕事でしかない。
ビジネスプランや案件を詰める段階から関われる機会は増えると面白そう。
とりあえず「仕事を生み出す」意識は今後大事になると勝手に思っています。
ヘビーユーザーやリピーターに特典をつける
これは既に実践済みな点もあると思うのですが、
- 獲得案件数が多いと手数料が安くなる
- 月の案件数に応じて報酬を出す
- ヘビーユーザー向け非公開イベントの開催
- コンペ参加で換金できるポイントプレゼント
とかありきたりだけどあるといいかなぁと。
クラウドソーシングをバイトやインターンと同じ存在に
課題でもあり今後の可能性ということで、クラウドソーシングがもっと一般的な存在になると可能性が広がりそうですよね。
お金を稼ぐ手段って
「社会人だと会社に入る」「学生や主婦だとバイト」
が一般的ですが、もっとたくさんの手段があることが広めるといいのかなと思います。
話は戻りますが、クラウドワークスさん、2周年おめでとうございます!
また、登壇者としてお声掛けいただきありがとうございました。
面白い話ができ普段はない出会いもあり、とても楽しかったです。
CEO吉田さんの著書も購入しました。
帰りの電車で読んでいたのですが、クラウドワークス起業前の話がとても参考になりました。
働き方の話よりも、起業志望の学生や経営者のほうが楽しく読めそうな気がします。